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2022.04.15

Unity Reflect を活用した現場管理システムで清水建設が i-Construction 大賞を受賞

国土交通省は、建設現場を魅力ある現場に劇的に変えていくために、革新的技術の活用等により建設現場の生産性向上を図る「i-Construction」を推進しており、ベストプラクティスとなる事例を i-Construction 大賞として表彰しております。

今回、清水建設株式会社様 が Unity Reflect を使った現場管理システム事例「デジタルツールをフル活用した現場管理の可視化・高度化」で国土交通省 i-Construction 大賞(令和3年度)を受賞しました。

現場での問題と解決方法

打規模な現場に置いては特に非常に複雑な構造を持っています。例えば新設される地下鉄路線の現場では、地下駅ならではの非常に複雑な構造となっており、更に都市部での工事のため埋設物が非常に多く錯綜する箇所に躯体を構築する為、躯体や仮設物、埋設物との干渉が大きな課題となっていました。加えて、関係者間での膨大な図面の管理についても大きな課題となっていました。

こういった厳しい作業条件のもと、所定の工期の中で安全、着実に工事を進める為、工事目的物の3次元モデルをプラットフォームとし様々なクラウド管理システム(Openspace、BIM360、Unity、LiDAR)を組合せ導入することにより遠隔現場巡回の実現、関係者間の情報共有の効率化を図り、関係者一体となった管理により工事全体の生産性向上に繋がりました。

現場状況の把握と、図面管理の簡略化

今回工事では4つのデジタルツールを連携し使用することにより工事全体の生産性が向上し管理の高度化を達成しています。360度画像管理システムで工事関係者は遠隔地から施工状況の確認、画像の時系列比較、指摘メモ、BIMモデルとの比較が容易にでき、遠隔地からの移動時間3.5時間/人削減しました。

360度画像を用いる事で、工事記録するので撮影漏れがなく、従来の工事写真記録と比較すると撮影時間は9割削減を実現しています。さらに、図面管理システムの導入により関係者間で同じ膨大な図面ファイルを一元化管理でき、これにより変更図面の最新版管理の手間を解消出来ています。

携帯による点群データの取得と Reflect Review を使った現場状況把握

Unity Reflect を用いた、VR・ARシステムにより、仮想空間の中で関係者に3D設計モデルを疑似体験させ施工検討や危険箇所のイメージが事前に共有することができました。このプロセスとしては以下のようなプロセスを行うことで、現場での撮影から5分後には遠隔地から現況点群データをモバイル端末で確認したり、VR空間で出来形チェックや状況把握を実現しています。

  1. 携帯による簡易点群取得システムにより現場の点群データを取得
  2. その場で各クラウド(BIM360docs、Unity Reflect)に登録
  3. Reflect Review を使って点群データを2D/AR/VR で可視化

 
Unity Reflect Review を使って現場環境を即座に遠隔地からVRで確認

ARを使って施工前に作業内を確認し事故防止を実現

ARシステムにより躯体3Dモデルを施工前に現地に表示させイメージ共有を実施したり、埋設物など復旧することで見えなくなるものはあらかじめ簡易点群取得してクラウド登録しておくことでARにて現地に再現させ、施工時の埋設事故防止を図っています。

施工中や施工後であれば、Unity Reflect Review の現実とBIMの「壁面」を使ったARの位置合わせを行うことができていましたが、このケースでは施工前でのAR表示のため、Unity Reflect 3.0 で新たに追加されたARマーカーを使って施工モデルを表示するための位置合わせを実施しています。

デジタル技術を使った建設業界におけるデジタルトランスフォーメーション

現在、建築業界に置いても、新しい生活様式「ニューノーマル」に対応しつつ従来よりも生産性を高める働き方改革を実施が求められています。こういった中で、この様な各クラウドシステムの連携により業務のデジタル化及びテレワーク化をまた一つ実現することが出来ました。

今後、清水建設様は発展性として巡回ロボット導入や自動飛行ドローンによる遠隔管理によりさらなる効率化による施工管理実現を目指しています。